2026/09/16 09:15
ボブ・ディランによる伝説のツアー【ローリング・サンダー・レヴュー】第2期となる1976年のライブ音源を収録した39枚組ボックス・セット『ローリング・サンダー・レヴュー:1976年の記録』が2026年11月6日に発売される。傑出したバック・ミュージシャンやゲスト・アーティストを従え、ディランのライブ・キャリアにおける新たな画期的到達点となったツアーの全貌を余すところなく捉えたボックス・セットだ。
【ローリング・サンダー・レヴュー】は1975年と1976年の2期に分けて開催され、このボックスは、そのツアー第2期のライブ音源を収録。1976年4月18日の米フロリダ州レイクランド(Disc1)から、5月25日のユタ州ソルトレイクシティ(当ボックス・セットに未収録)に至る22都市での全27公演から22公演を39枚のCDにまとめたもの。未発表音源は371トラックに及び、その多くはツアー・エンジニアによってサウンドボードからカセットテープへと直接録音されたものだが、マルチトラックで録音されたテープを新たにミックスしたものも含まれる。キャリアにおいて伝説的かつ輝かしい時代を象徴するこのツアー、ディランの内に高まる怒りや自信や不安や葛藤の表れか、歌はよりハードなアレンジとなり、歌詞の変更もいとわず斬新なロック・ナンバーに生まれ変わっていった。そうした彼のパフォーマンスは次第に激しさを増し、やがて5月23日のフォート・コリンズ公演(Disc38&39)で最高潮に達する。なお、その公演は、かつて一度だけ放送された特別TV番組『激しい雨』にあたる。
「NBC(日本ではTV東京で1977年に放送)で放送された『激しい雨』に収録された“愚かな風”は、ディランがカメラの前で披露した中で最も怒りに満ち、かつ見事なパフォーマンスの一つだ」と作家兼音楽ジャーナリストのマイケル・ギルモアはオリジナル・ライナーノーツに記している。「しかし、これもまた無駄に終わった。“激しい雨”の寿命は映画『レナルド&クララ』よりもさらに短かった。たった一晩、わずか一時間だけ放送されただけだ。劇場で上映されることは一度もなかった。再放送されることもなく、ビデオテープやDVDとして発売されることもなかった。もう消え去ってしまったのだ。 1976年春、4週間半にわたって行われたローリング・サンダー・レヴュー、『レナルド&クララ』、スコセッシのドキュメンタリー映画、『激しい雨』に記録されていない残りの1976年ローリング・サンダー・サンダー・レヴューのすべては、今、このボックス・セットにのみ残されている。音楽を聴きながら、目を閉じ、ここで展開する壮絶な物語を心で見てほしい。」
第2期でも、ディランはかつての友人や共演者たちを自身のツアー・グループに迎え入れた。再びジョーン・バエズと「風に吹かれて」や「レイルロード・ボーイ」などを共演し、忘れ難きデュエットを数多くの公演で披露。また、ロジャー・マッギン、ウィリー・ネルソン、ランブリン・ジャック・エリオット、キンキー・フリードマン、ジョニ・ミッチェル、アレン・ギンズバーグらに誘いの声をかけ参加させた。ディランとボビー・ニューワースは、ツアー・バンドに全米チャート1位を獲得したアルバム『欲望』の録音に参加したベーシストのロブ・ストーナー、ヴァイオリニストのスカーレット・リヴェラ、ドラマーのハウイー・ワイエス他、ギタリストとしてボビー・ニューワース、ミック・ロンソン(デヴィッド・ボウイのバック・バンドであるスパイダーズ・フロム・マースのメンバー)、スティーヴン・ソールズ、デヴィッド・マンスフィールド、T・ボーン・バーネットら若手ミュージシャンたちで編成し、そのバンドをニューワースがグアムと命名した。
T・ボーン・バーネットは当時をこう振り返る。「ローリング・サンダー・レヴューは全米初のパンク・ロック・ツアーだったのだろう。このツアーが、ザ・クラッシュ、エルヴィス・コステロ、ザ・ラモーンズ、セックス・ピストルズなど、次々と現れる新しい音楽の激しい爆発へとつながる扉を開いたのだ。ディランは、またしても成し遂げた。彼は、他のだれにも見えない扉、人が壁だと思っている扉をくぐり抜けるのが得意だ。」
2019年発売『ローリング・サンダー・レヴュー:1975年の記録』の続編となる本作は、CD39枚(全381トラック)と貴重な写真を掲載したオリジナル・ブックレット(40ページ)を輸入限定BOXに収納。日本盤は輸入盤国内仕様で、作家で音楽ジャーナリストのマイケル・ギルモアの英文ライナーを菅野ヘッケルが完全翻訳、萩原健太による全曲目解説、中川五郎による歌詞対訳を収録した「日本版ブックレット」を付属。また、オリジナル・マルチトラック・テープからリミックスされた、5月16日のフォートワース公演の完全版(CDではDisc32&33)を収録した3枚組LPセットが同時発売予定だ(輸入盤のみ)。
今作より、1976年5月16日のフォートワース公演の「ゴーイング・ゴーイング・ゴーン」が公開された。1974年発表作『プラネット・ウェイヴス』に収録のザ・バンドとの録音曲。オークションで最終入札を受付ける際に使われるフレーズ“ゴーイング、ゴーイング、ゴーン!”を、ディランはユーモラスに別れについての歌で使用した。スタジオ・バージョンではロビー・ロバートソンが曲全体に渡って浮遊感のあるギターでバッキングするが、このツアーではスカーレット・リヴェラが印象的なヴァイオリンの響きを披露している。
◎リリース情報
『ローリング・サンダー・レヴュー:1976年の記録』
2026/11/6 RELEASE
https://BobDylan.lnk.to/RTR_1976
Photo: Jerry Aronson
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